【3月27日 Xinhua News】中国広東省湛江市の湛江駅でこのほど、シニア世代に特化した「シルバー観光列車」が乗客720人余りを乗せ出発した。貴州省黔西南(けんせいなん)プイ族ミャオ族自治州興義市を目的地とする5日間の花見ツアーがスタートした。

 ツアーでは広大なカルスト地形が広がる万峰林の景観を楽しむだけでなく、地元少数民族のミャオ族やプイ族の伝統的な歌と踊りの鑑賞や郷土料理など、独特な民族情緒も体験できる。

 乗客の年齢に配慮し、列車乗務員のほか、医師や経験豊富なガイドも同行し、旅の安全を全行程サポートする。食事面では高齢者の食事に対するニーズを満たすため、薄味で消化のよい健康的なメニューを提供する。

 同列車は中国の鉄道部門がシニア世代向けに運行する観光列車で、高齢者が快適に過ごせるよう車両を改造した。観光ルートとサービスも充実しており、柔軟性のあるルート設計、移動中の観光内容や旅程に合わせた列車の走行、昼間に観光して夜は移動する、などの特徴や優位性を備えている。

 中国ではここ数年、シニア世代向け観光市場の拡大が続いている。政府は今年、シルバー観光列車に対する新たな支援政策を打ち出し、複数地域の鉄道部門がオーダーメードツアーや健康・養生ツアー、長期滞在型ツアーなど、多様なスタイルを相次ぎ提供している。江南地方の水郷に新疆ウイグル自治区北部の秘境、海南省のヤシ林、東北地方の雪郷…、シルバー観光列車の路線は全国各地に広がっている。

 中国国有鉄道会社、中国国家鉄路集団傘下の旅行会社、中国鉄路南寧局文旅の蔣金文(しょう・きんぶん)副総経理によると、同社は現在、車両を高齢者向けに改造中で、クッション付きの衝突防止材や滑り止めマットなどの安全対策を講じたほか、携帯式血圧計やモバイルバッテリー、折りたたみ式ポータブルトイレなどの便利な備品を追加した。また、専門的なサービス管理チームを立ち上げ、高齢者の旅行ニーズをより良く満たしている。アップグレードされたシルバー観光列車は、今年4月から順次導入予定という。(c)Xinhua News/AFPBB News