【3月25日 AFP】米国によるイエメンの親イラン武装組織フーシ派への攻撃計画に関する国防長官、副大統領を含むトランプ政権の国家安全保障チームのグループチャットに、米ジャーナリストが誤って含まれていたことが分かった。ホワイトハウスが24日、確認した。

攻撃については、ドナルド・トランプ大統領が米東部時間15日に発表。しかしその数時間前、米誌アトランティックのジェフリー・ゴールドバーグ編集長は、通信アプリ「シグナル」のグループチャットを通じて数時間前に攻撃の情報を得ていたと伝えた。

国家安全保障会議(NSC)のブライアン・ヒューズ報道官は「報じられたメッセージのやり取りは本物のようだ」と認めた上で、なぜ誤った利用者がグループチャットに加えられたか「調査中」だと述べた。

トランプ氏はこの問題について「何も知らない」と発言。ホワイトハウスはその後、トランプ氏は「国家安全保障チームを最大限、信頼し続けている」とした。

仮にゴールドバーグ氏が攻撃計画の詳細を事前に公表していれば、極めて有害なリークとなった可能性があるが、同氏は事後にもそうした行動を取らなかった。ただし執筆したアトランティック誌の記事で、ピート・ヘグセス国防長官が「標的、使用する武器、攻撃の順序」などの情報をチャットに送信したと明かした。

ゴールドバーグ氏の記事には「ヘグセスの長文メッセージによると、イエメンでの最初の爆発は2時間後の米東部時間午後1時45分」に予定されていたとあり、実際、同国ではそのタイミングで爆発が起きた。

ゴールドバーグ氏は2日前に国家安全保障チームのグループチャットに追加されており、その際、この問題に取り組む参加者を指名する複数の政府高官からメッセージを受け取ったという。

14日のチャットでは、J・D・バンス副大統領と特定された人物が、フーシ派に対する攻撃は「欧州を再び救う」ことになるとして疑問を呈し、否定的な考えを示した。これはフーシ派による船舶への攻撃で、米国よりも大きな影響を受けているのは欧州諸国だという背景に基づく発言だった。

また、マイク・ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)とヘグセス氏と特定された人物はいずれも、フーシ派への攻撃を実行する能力を有しているのは米国だけだと主張。ヘグセス氏は、「欧州のただ乗りは不愉快だ。ばかげている」とのバンス氏の認識を共有すると述べた。

「SM」というアカウント名の人物(スティーブン・ミラー大統領次席補佐官とみられる)も、「米国が多大な犠牲を払って航行の自由を回復させるのであれば、それに見合うさらなる経済的利益を引き出す必要がある」と主張した。(c)AFP/Aurélia END