【3月27日 AFP】米首都ワシントンの連邦高裁は26日、ベネズエラ移民の即時強制送還措置に対する、連邦地裁による差し止め命令の取り消しを求めるトランプ政権の申し立てについて、棄却することを決定した。

高裁の判事3人から成るパネルは、1798年の敵性外国人法(AEA)に基づく強制送還の差し止めを一時的に維持することを2対1で決めた。

民主党のバラク・オバマ大統領(当時)が任命したパトリシア・ミレット判事と、共和党のジョージ・H・W・ブッシュ大統領(同)が任命したカレン・ヘンダーソン判事が、差し止めの維持に賛成票を投じた。トランプ氏が任命したジャスティン・ウォーカー判事は反対した。

ミレット判事は、ベネズエラ移民は「通告も聴聞も機会もなく、手続きなしに」政府の主張にのみ基づいて強制送還されたと指摘。「一部の人々を対象に公正かつ平等な手続きを放棄することを政府が選択できるなら、全ての人々が同じように扱われかねない」と述べた。

トランプ氏は15日、AEAを発動し、ベネズエラのギャング「トレン・デ・アラグア」の構成員とされる集団を飛行機2機でエルサルバドルの刑務所に移送した。これを受けてワシントンの連邦地裁が一時差し止めを命令したのに対し、司法省は、命令の取り消しを求めて控訴していた。(c)AFP/Chris Lefkow