【6月15日 AFP】ウクライナ国境警備隊は14日、密出国を試みた男性41人を拘束したと発表した。

 ウクライナは2年以上続くロシアによる侵攻で多数の犠牲者を出したのを受け、先月、兵員の補充を目的とした新たな動員法を施行。動員を強化している。ロシアによる侵攻が始まった2022年2月以降、18~60歳の男性の出国は原則禁止されている。

 モルドバ、ルーマニアと国境を接する南部オデーサ(Odesa)州の国境警備隊は、穀物輸送用のトラックで出国しようとしているウクライナ国民41人を発見したと述べた。

 違反者は行政処分となるが、密出国を手配した2人は刑事責任を問われるという。

 国境警備隊は男性らが徴兵逃れを意図していたのかは明らかにしなかったが、動員強化は恐怖を呼んでいる。

 ソーシャルメディアには最近、男性たちが徴兵担当者に連行され、繰り返し虐待を受ける場面を捉えた個人投稿の動画があふれている。

 一部の男性が賄賂を贈って徴兵を逃れているという報道もあり、動員強化に対する反発はさらに高まっている。

 国境警備隊は今年2月にも、隣国ハンガリーへの密出国を試みた38人を阻止したと発表した。密出国あっせん業者は1人当たり4500~8500ドル(約71万~134万円)を受け取っていたとされる。(c)AFP