仏パリ市長、パレスチナ議長の勲章剥奪 ホロコースト正当化で
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【9月9日 AFP】仏パリのアンヌ・イダルゴ(Anne Hidalgo)市長は、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長(87)がホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)を正当化したことを受け、2015年に授与した同市最高位の勲章「パリ市大金章(Grand Vermeil)」を剥奪した。市長室が8日、明らかにした。
イダルゴ氏は7日にアッバス氏に送った書簡で「あなたの発言は私たちの普遍的価値観と、ホロコーストの史実に反している」「したがって、この勲章をこれ以上保持することはできない」と述べた。
書簡の内容は、フランスのユダヤ人の統括組織であるフランス・ユダヤ系団体代表協議会(CRIF)のヨナタン・アルフィ(Yonathan Arfi)代表により、X(旧ツイッター〈Twitter〉)で公開された。
アッバス氏は、ナチス・ドイツ(Nazi)総統、アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)に言及し、「ヒトラーがユダヤ人を殺したのは、彼らがユダヤ教徒だったから」というのは「真実ではない」と主張。
反ユダヤ主義者の常とう句を持ち出し、「(欧州で)ユダヤ人が敵視された原因は、宗教とは関係なく、社会的役割にある。高利貸し行為と財産だ」と述べていた。
アッバス氏の発言は先月、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)のラマラ(Ramallah)で、パレスチナ解放機構(PLO)内の最大組織ファタハ(Fatah)の幹部らの前で行った演説の中で出たもの。今週になって動画が流出した。(c)AFP