【9⽉5⽇ Peopleʼs Daily】中国では交通分野に先進的な情報技術が急速に導入されており、次々に登場する新製品や新モデルが人々の移動体験を最適化している。

 例えばタクシーの配車だ。タクシー利用の求めは時として極めて多くなる。すると待ち時間が非常に長くなる。地図サービスを手掛ける高徳地図(Autonavi)のタクシー配車事業部の責任者である李新華(Li Xinhua)氏によると、人工知能(AI)ビッグデータを使いエリアの渋滞状況をリアルタイムで予測し料金差を設けることで需給関係を調節する手法を開発したという。

 北京市の亦荘鎮(Yizhuang)では、車両の状況を分析・研究・判断し、信号機を速やかに調整するスマート交差点を332か所設置した。渋滞解消の効果は顕著で、信号待ちの車列の長さが30.3%減少し、青信号なのに交差点を通過できない無駄な時間が18.33%減少した。

 湖北省(Hubei)襄陽市(Xiangyang)のハイテク区にあるコネクテッドカーの試験道路では、自動運転無人ミニバスが乗客を運んでいる。少し離れたところでは自動運転清掃車が作業中だ。同プロジェクトの責任者によると、現地では自動運転コネクテッドカーによる応用を140件以上実施している。対象地域は道路往復分で510キロ、面積は150平方キロ、交差点234か所がある規模に達したという。

 四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)では、「交通ブレーン」が毎日1億枚以上の画像を処理して違反識別やその他の作業を実行している。車両管理やコントロールの効率が約5倍になり、同時に市民の移動に大きな利便性がもたらされた。

 成都市と四川省宜賓市(Yibin)を結ぶ成宜高速道路では、中央分離帯に800メートルごとに柱が立てられ、各種カメラやミリ波レーダーで道路を監視し、AIなどを使って、スピード違反や逆走、緊急停止などの異常事態の分析を実現した。四川数字(Sichuan Digital)の陳墾(Chen Ken)会長は、「設備稼働後は、AI警報に基づく事故の発見が全体の73.8%に達し、事故現場に到着するまでの平均時間が34%近く短縮されました」と説明した。

 江蘇省(Jiangsu)の蘇州市(Suzhou)、無錫市(Wuxi)、常州市(Changzhou)を結ぶ蘇錫常高速道路の全長10.79キロの太湖トンネル内の照明は柔らかだ。スマート調光システムにより環境の変化に応じて照明の明るさを自動調節しているからだ。この照明方式は、運転手が密閉空間で長時間走行する際の緊張と圧迫感を軽減する。さらにトンネル内の全域が5G信号でカバーされているので高品質のネット接続を維持でき、測位衛星システムの北斗(Beidou)を利用したナビゲーションサービスを利用できる。

 スマート交通の発展は将来性が高い。政府関連部門の責任者は、スマート交通は将来、輸送手段のスマート化と自動化、人的要因による事故率の大幅な低下、インフラの一層の弾力性と強靭(きょうじん)性の3点を実現し、全天候型の安全で信頼性の高い移動が可能になるとの見通しを示した。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News