【5月19日 Xinhua News】日本で1986年に歌手の尾形大作さんが歌った「無錫旅情」がヒットすると、中国の「太湖の真珠」と呼ばれる江蘇省(Jiangsu)無錫市(Wuxi)には多くの日本人観光客が訪れるようになった。それから数十年、無錫には多くの日本人企業家や投資家も訪れた。彼らは中国市場に期待を抱き、無錫と日本の経済・貿易協力で数々の逸話を残してきた。

 今では、日本が無錫にとって第2の貿易相手となっている。2022年の対日貿易額は106億8千万ドル(1ドル=約137円)に上り、中でも付加価値の高い機械電気製品が6割以上を占めた。地域的な包括的経済連携(RCEP)協定により中日間の関税が引き下げられた今、無錫と日本の貿易は新たな時代を迎えている。

 無錫は長江デルタで有名な日系企業の「高地」として知られる。1986年に東京急行電鉄(現・東急)が最初の日系企業として無錫大飯店を開業して以来、村田製作所や住友化学、日立製作所、クボタなどの日本企業が相次ぎ進出した。同市に投資した日本企業は22年末時点で1278社、投資総額は170億ドル近くに上る。進出は集積回路やスマート製造、自動車産業など同市が優位性を持つ分野に集中している。

 今月11日には趙建軍(Zhao Jianjun)市長が率いる同市貿易代表団が東京で経済貿易文化協力交流会を開いた。ソニーや日立などの企業や中日友好団体などから300人近くが参加し、総額15億4千万ドルの協力プロジェクト26件が締結された。

 日本滞在期間中、趙氏は代表団を率いてパナソニックグループやシャープ、みずほフィナンシャルグループなどを訪問。総額22億9500万ドルのプロジェクト34件の契約締結に立ち会った。うちシャープとは、無錫ハイテク産業開発区がディスプレー関連の事業運営本部プロジェクトを締結した。

 趙氏は「今回の訪日を契機にハイレベルな対外開放を一層拡大していく。よりよいサービス、より強力な政策、より快適な環境を提供し、日本の友人と『無錫旅情』で結ばれた絆を発展させ、よりよい展望を開いていきたい」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News