【SDGsニュースを振り返る】11月11日〜11月17日
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【11月20日 AFPBB News】1週間のSDGsニュースを振り返る。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は11日、戦争や紛争、迫害などで外国に逃れた難民や庇護希望者、国内避難民が6月末時点で8400万人超となり過去最多を更新したと発表した。
UNHCRによると、2020年末からの半年間で差し引き約200万人増えたことになる。特に国内避難民の増加が顕著だった。
UNHCRは、家を追われた人の多くが異常気象など気候変動や新型コロナウイルス感染といったさらなる困難に直面していると警告した。

国連(UN)気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)は13日、2週間にわたる交渉を経て、成果文書を採択した。石炭火力発電については、当初案の「段階的な廃止」から「段階的な削減」に表現を弱めた。
当初案に盛り込まれた石炭火力発電の「段階的な廃止」をめぐっては、中国やインドが反発し、排出削減対策のない石炭火力発電の段階的な削減に向けた努力を加速する、という文言に変えられた。
アントニオ・グテレス(Antonio Guterres)国連事務総長は成果を歓迎しつつも「十分ではない」とし、「われわれは気候大災害の扉をノックし続けている」と述べた。

米当局は10日、乗車に時間がかかる障害者の利用客に「待機料金」を課すことは市民権保護に違反するとして、配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズ(Uber Technologies)を提訴した。
ウーバーは運転手を指定場所で2分以上待たせた場合に追加料金を徴収しているが、司法省は障害者にこれを課すことは差別で「障害のあるアメリカ人法(ADA)」に反すると指摘した。
クリステン・クラーク(Kristen Clarke)司法次官補は声明で「今回の訴訟は、ウーバーにコンプライアンスを順守させるものであると同時に(中略)乗車に時間を要するというだけで障害のある乗客にペナルティーを科すことはできないと強いメッセージを送るものでもある」と説明した。

英スコットランド沖オークニー諸島(Orkney Islands)の小さな島に、冬の間の餌として海藻を食べるヒツジが数千匹生息している。
海藻を食べるヒツジがいるのは、人口約60人のノースロナルドセー(North Ronaldsay)島。ここでは19世紀初め、ヒツジが畑や道路に入るのを防ぐために大きな石壁が設けられた。それ以降、ヒツジたちは内陸部に進入できなくなり、海岸沿いで生きることを強いられるようになった。
ヒツジたちは夏には草にありつけるが、冬の間は海藻以外に食べるものがなくなった。
ヒツジや牛などの動物は、げっぷやおならでメタンガスを排出する。メタンガスは二酸化炭素(CO2)と比べ、大気中に熱を閉じ込める効果が約30倍高い。海藻食はヒツジの複雑な消化系に影響を与え、放出されるメタンガスの削減に寄与しているとみられる。

インドは15日から外国人観光客の受け入れを再開したが、大気汚染が悪化しており、タージマハル(Taj Mahal)などの観光名所にもスモッグが立ち込めている。
北インドでは、毎年特に冬季に大気汚染が悪化する。野焼きや車の排ガス、工場のばい煙が混ざり、都市全体が黄色がかった煙霧に覆われる。
ここ数日の大気汚染は今年最も深刻な状況となっている。政府の統計によると、15日の微小粒子状物質(PM2.5)の1立法メートル当たりの濃度は160マイクログラムと、世界保健機関(WHO)が基準とする濃度上限を大幅に上回った。

(c)AFPBB News