武装した極右思想のベルギー軍人、遺体で発見 5週間の捜索に幕
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【6月21日 AFP】ベルギーで20日、武器を盗み、著名な新型コロナウイルス専門家への脅迫文を残して行方をくらましていた極右思想の軍人が、5週間にわたる大規模な捜索の末に遺体で見つかった。当局が明らかにした。
検察は、銃による自殺とみており、死因の特定のため20日と21日に検視を行うとしている。
遺体で見つかったのはユルゲン・コニングス(Jurgen Conings)容疑者(46)。オランダ国境近くで乗り捨てられていた容疑者の車からロケットランチャー4基が見つかり、先月から警察官や兵士数百人が容疑者を捜索していた。
コニングス容疑者は、指導教官として勤務していた基地から武器を盗んだ疑いが持たれていた。同容疑者は、コソボとイラク、アフガニスタンで従軍歴があると報じられている。
20日、コニングス容疑者が乗り捨てた車の発見場所に近い森でサイクリングをしていた近隣の町マーサイク(Maaseik)の町長が強い死臭に気付き、容疑者の遺体ではないかと警察に通報。警察が遺体を発見した。
地元の猟師もメディアに対し、強い異臭がしたため辺りを探したところ、ライフルと拳銃、おの、ポケットナイフと共に木の根元に横たわっている遺体を見つけたと語った。「私は、警察官を見つけ、『何かを見つけた。私と一緒に来てほしい。ユルゲンではないかと思う』と言った」
コニングス容疑者の捜索はベルギーで大きく報じられ、シルヴェスター・スタローン(Sylvester Stallone)さんが演じた1980年代のアクション映画『ランボー(Rambo)』になぞらえて容疑者を「ベルギーのランボー」と呼ぶメディアもあった。
インターネットでも関心を集め、フェイスブック(Facebook)に開設された容疑者を応援するページにはわずか数日で4万5000人が参加。このページは後に閉鎖された。
フィンセント・ファンクイッケンボルヌ(Vincent Van Quickenborne)司法相はメディアに対し、捜索範囲はおおむね妥当だったがその面積は非常に広く、遺体が見つかったのは捜索範囲の外だったと明らかにした。(c)AFP/John THYS and Alessio PISANO