【3月16日 CNS】北京市は3月から新学期が始まり、スマートフォンを持ってきた児童・生徒は下校まで学校に預ける仕組みが新たにスタートした。

 北京市豊台区(Fengtai)の豊台第二中学校では、教室の黒板近くにスマホの保管箱が設置された。生徒の1人、宋雨璇(Song Yuxuan)さんは「保管箱には鍵が付いており、誰かが持ち去ることはないので安心です。休み時間はクラスメートとおしゃべりしたり、授業中に分からなかった問題を教えてもらったりしました。スマホがそばにあって見てしまいがちな以前と比べ、授業中の集中力が格段に向上しました」と話す。

 中国では、財布を持たずにスマホで支払いを済ませ、街を移動するときに使うシェア自転車もスマホで登録して利用する。同校の河石明(He Shiming)校長は「下校途中の買い物や自転車の利用にスマホは必要だが、学校では必需品ではない。新学期前に生徒や保護者代表と話し合い、新しいスマホ管理のルールを定めました」と説明する。

 中学校に比べて小学生がスマホを学校に持ち込むことは少ないが、スマートウォッチなどは保管することにしている。

 豊台第一小学校の児童、譚凱源(Tan Kaiyuan)さんは「スマートウォッチを腕につけていると授業中に我慢できず、つい遊んでしまうことがありました。今は先生が保管してくれるので、気にならなくなりました」と話す。

 新ルールについて、保護者の1人、路さんは、「スマートウォッチは連絡と安全のために持たせていますが、子どもが遊んでしまうのが難点でした。先生がまとめて管理してもらえると、親の悩みも解決されます」と歓迎する。

 新ルールは、家庭と学校の連携を強化し、子どもが自宅で「スマホ中毒」にならないよう喚起する狙いもある。

 豊台第一小学校の殷南(Yin Nan)校長は「スマホを過度に使うと目に悪いうえ、子どもの成長に悪影響を与える。学校と家庭が連携し、スマホに依存しない自制心を養いたい」という。

 豊台第二中学校の何石明校長は「保護者が自宅で子どものスマホの管理・指導を行い、ルール作りをするきっかけになってほしい。親子でスマホを置き、スポーツや読書などをするよう呼びかけています。学校、家庭、地域が連携し、子どもたちの健やかな成長のため科学的にスマホを管理しましょう」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News