ミャンマー機の爆弾で5人死亡、国境付近に戦闘機派遣 中国
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【3月15日 AFP】ミャンマー国境に近い中国・雲南(Yunnan)省で13日にミャンマー軍機の爆弾が農村に着弾して5人が死亡したことを受けて、中国の李克強(Li Keqiang)首相は15日、南西部の国境付近の住民を「断固として」守る方針を明言した。
爆弾は雲南省臨滄(Lincang)市のサトウキビ畑に着弾し、農作業中だった5人が死亡、8人が負傷した。李首相は年一回行っている記者会見で犠牲者の遺族らに哀悼の意を示すとともに、「外務省と軍がミャンマー側に厳重抗議した」と述べ、「われわれにはミャンマーとの国境地帯の治安と安定、そしてわが国民の生命と財産を断固として守る責任と能力がある」と強調した。
国営新華社(Xinhua)通信が中国人民解放軍(People's Liberation Army)空軍報道官の発言として伝えたところによると、空軍は14日、ミャンマー軍機を対象に監視や追跡、警告などを実施するためミャンマー国境付近に数機の戦闘機を派遣した。新華社は中央軍事委員会の范長龍(Fan Changlong)副主席がミャンマー国軍の総司令官に対し、事態再発の場合には「強硬かつ断固した措置」を取ると警告したことも伝えた。
これに先立つ13日夜には、中国の劉振民(Liu Zhenmin)外務次官がミャンマーの駐中国大使を呼び、死者が出た点について抗議したという。
中国との国境に近いミャンマー北東部シャン(Shan)州コーカン(Kokang)地区では、先月9日にミャンマー国軍と少数民族コーカン族武装勢力の戦闘が始まり、ミャンマー政府は非常事態を宣言した。同地区の中心的な町ラオカイ(Laukkai)は戦闘の中心となり、かつてにぎわっていた国境地帯の道路からは人影が消えた。新華社によると、ミャンマーから雲南省に3万人余りが避難したとされる。
ミャンマーが西側諸国の制裁を受けていた軍政時代、中国はミャンマーにとって中心的な支援国だったが、テイン・セイン(Thein Sein)大統領は2011年の民政移管以降、米国をはじめとする他の国々との関係を強化している。(c)AFP