【1月31日 AFP】国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)の天野之弥(Yukiya Amano)事務局長(66)は30日、AFPとの独占インタビューに応じ、ここ最近大きな進展を見せてきたイランの核問題について、過去の軍事目的での開発といった疑惑を含め「さらなる難問」に取り組む時に来ているという考えを示した。

 天野氏は、「まず現実的で実行しやすい措置から着手したが、これからはより難しい事項へ移る」と述べ、「当然将来的には、『軍事利用の恐れ』に絡んだ問題も盛り込んでいきたい」との意向を示した。また2月8日にIAEAとイランとの間で予定されている会合でも協議を継続していくとしている。

 昨年11月11日、イランの核計画の監視強化を目指して同国とIAEAが合意したロードマップ(行程表)では、今週のIAEA査察団によるガチン(Gachin)ウラン鉱山訪問や昨年12月のアラク(Arak)の新しい重水炉への立ち入りなど6つの過程が定められた。

 しかしこの行程表では、スイス・ジュネーブ(Geneva)で昨年11月24日にイランが主要国と結んだ合意とは異なり、2003年以前またはそれ以降に、イランの核計画にIAEAのいう「軍事利用の恐れ」があったかどうかという長くくすぶってきた疑惑には踏み込んでいない。

 2011年11月のIAEA報告書でこれらの疑惑がまとめられ、双方は2年にわたって協議を続けたものの、イラン側は疑惑が誤った情報に基づくものとして否定し、結局前進は見られなかった。

 天野氏は、昨年11月24日の主要国との合意で「過去・現在を問わずあらゆる問題」の解決が求められていることが明確になったとし、イランに責任逃れを許したわけではないという見方を強調した。(c)AFP