【コロンボ/スリランカ 29日 AFP】反政府武装勢力「タミル・イーラム解放の虎(LTTE)」の航空機が29日未明、首都コロンボ(Colombo)を空爆した。政府軍による同派拠点への空爆に対する報復として、コロンボの石油備蓄施設2か所を爆撃したとLTTEの広報担当はAFPに述べた。

 LTTEのRasiah Ilanthiriyan氏は、「(LTTEが勢力下におく)キリノチチ(Kilinochch)郊外を28日深夜に空爆したスリランカ空軍機に燃料を供給する石油施設に対し、われわれは航空隊2部隊を出動させた」と話した。

 同Ilanthiriyan氏によると、政府軍機はコロンボから330キロ北のキリノチチ郊外を爆撃したが、受けた被害の詳細については明らかにしなかった。

 政府軍によるキリノチチ空爆から1時間以内に、LTTEは「航空隊2部隊」を出動させ、コロンボの石油施設を空爆した2時間後、秘密基地に帰還したという。

 軍当局は29日未明、LTTEのものとみられる航空機がコロンボ上空に侵入すると、対空攻撃を行った。

 住民がカリブ海のバルバドスで行われたクリケットのワールド杯でスリランカチームとオーストラリアチームの試合に熱中するなか、電気が消され、軍は対空砲を発射した。

 軍当局は、対空砲によるLTTE機撃墜はなかったと発表した。

 写真は3月26日に公開されたLTTE機とVサインを掲げるパイロットら。北部ワンニ(Wanni)地域で撮影されたものという(撮影日不明)。(c)AFP/LTTE/HO