【ラゴス/ナイジェリア 19日 AFP】政府軍の報道官によると、北部の都市カノ(Kano)で18日、政府軍との戦闘で反政府勢力の戦闘員少なくとも25人が死亡した。両者の戦闘は2日目に突入している。21日に大統領選挙の投票を控え、国内で緊張が高まる中での衝突となった。

 現地では前日17日、武装した反政府勢力のメンバーがカノ郊外の警察署を白昼に襲撃し、警察署長と同夫人および警察官11人を殺害している。

 その後武装グループが警察署を一時的に占拠したことから、警察と政府軍が18日朝、合同で同グループを排除する作戦を展開。武装グループは付近の水処理施設へ逃亡した。

 警察署への襲撃事件の実行グループはイスラム教系の武装組織で、急進派のイスラム教聖職者とその支持者2人が前週、カノ郊外のモスクで殺害されたことへの報復と見られている。

■野党勢力は大統領選挙の延期などを要求

 一方、衝突が発生するなど国内の緊張が高まる中、18野党は選挙管理委員会の解散を要求、「透明性と公正性」が保障されるまで大統領選挙を延期するよう求めた。

 野党勢力は、不正があったとして国際社会から非難されている前週実施された地方選挙の結果を無効にするよう要求している。同選挙後、国内では衝突事件が発生して20人が死亡している。

 野党勢力は17日、選挙管理委員会の解散などの条件が満たされない場合、大統領選挙のボイコットも辞さない構えであると声明を発表した。

 与党国民民主党(PDP)は大統領選挙について、予定通り21日に実施すると強調している。

 写真は、カノ市街を巡回する警官隊(2004年5月13日撮影)。(c)AFP/PIUS UTOMI EKPEI