【4月27日 AFP】先月キューバで死亡したカナダ人男性が、誤ってロシア・モスクワ近郊の町に埋葬されていたことが判明し、カナダ当局は遺体の帰国に向けて奔走している。キューバで別の遺体と取り違えられ、誤った国に送られていたという。

 シリア出身でカナダ国籍のファラジュ・アラー・ジャルジュールさんは3月下旬、休暇を過ごしていたキューバのバラデロ(Varadero)の海で遊泳中に急死した。

 遺体はカナダに搬送されたと考えられていたが、ケベック(Quebec)州の遺体処置専門家が埋葬準備に取り掛かろうとしたところ、ひつぎの中の男性とジャルジュールさんの遺族に提供された写真の男性が似ても似つかないことに気付いた。

 カナダ国営放送CBCによると、ひつぎに入っていた遺体は髪が豊かで、入れ墨をしていて、ジャルジュールさんの年齢より20歳は若く見えた。

 一方、2016年に内戦下のシリアを逃れてカナダへ移住したジャルジュールさんは68歳で、頭髪はなかった。

キューバのブルノ・ロドリゲス・パリジャ(Bruno Rodriguez Parrilla)外相はSNSへの投稿で、取り違えを「不幸な出来事」と表現し、遺族に謝罪した。

 ジャルジュールさんの娘ミリアムさんはCBCに対し、「(遺体を)墓から掘り出してカナダに送る」つもりだと述べ、「良い状況とは言えないが、選択の余地はない。私たちがどうにかできることではなく、我慢するしかない」と語った。(c)AFP