【4月26日 AFP】中国北京で26日、米中外相会談が行われ、中国の王毅(Wang Yi)外相は米国のアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官に対し、深まっている意見の相違に対処しなければ、両大国間で「負の連鎖」が生じかねないと警告した。

 過去1年間で2回目の訪中となったブリンケン氏は会談前、進展に期待しつつも、ロシア、台湾、貿易問題など意見の対立が予想される分野については率直に議題にすると述べていた。

 今年後半に大統領選を控えている米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は、経済分野で中国への圧力を強めている。半導体の輸出規制の強化や、中国IT大手バイトダンス(ByteDance)の動画投稿アプリ「ティックトック(TikTok)」の米国事業売却を迫るなどしており、中国側はこれに強い不快感を示している。

 王氏はブリンケン氏に対し、特に昨年11月にサンフランシスコで行われた米中首脳会談の後、2大経済大国の関係は「安定し始めている」が、「同時にマイナス要因も依然、増大している」と指摘。

 中国は「互いの核心的利益の尊重を主張する」と述べ、中国の主権や安全保障に関して「一線を越えない」よう米国に要求した。

 王氏はさらに「中国と米国は安定を保ちながら正しい方向に進むべきか、それとも負の連鎖に戻るべきか。これは両国が直面している大きな問いであり、双方の誠意と力量が試されている」とも述べた。

 王氏の厳しい物言いにもかかわらず、米政府高官や専門家は、習近平(Xi Jinping)国家主席の最優先事項は中国経済への逆風に対処することであり、少なくとも短期的には西側諸国との対立を避けようとしていると見ている。

 一方のブリンケン氏は、米中両国が「責任を持って、世界で最も重要な関係を維持している」ことを示す必要があると発言。「少なくとも誤解や誤算を避けるために、意見の相違がある分野について可能な限り明確にすべきだ」と主張した。

 その上で「両国関係の影響力を考えれば、それは自国民のためにとどまらず、世界中の人々のためにわれわれが共有している責任だ」と語った。(c)AFP