【4月27日 CNS】春の到来とともに、キャンプはますます多くの中国人にとってレジャー旅行の選択肢となる。

 2020年は「中国キャンプ元年」と呼ばれている。それ以降、雨後のタケノコの様に中国にはキャンプ場が次々に出現し、都市公園、郊外、田舎に広がりを見せている。中国の調査機関「艾媒諮詢(iiMedia Research)」の報告によると、2022年の中国の「キャンプ経済」の核心市場規模は1134億7000万元(約2兆4387億円)に達し、前年比で51.8パーセントの増加を記録した。2025年には、「キャンプ経済」の核心市場規模が2483億2000万元(約5兆3368億円)に上昇し、市場規模は1兆4402億8000万元(約30兆9539億円)に達すると予測されている。

 キャンプ経済の活況は、さまざまな新型装備の登場を促し、関連する企業の急速な成長をもたらしている。ショッピングサイト・天猫(Tmall)のデータによると、今年の春以降、アウトドアエアベッド、カーサイドタープ、キャンプ用枕などの軽量キャンプ装備の売上が増加している。特にアウトドアエアベッドとキャンプ用枕の販売量は、前年比でそれぞれ50パーセント、100パーセント以上の増加を記録している。企業情報プラットフォーム天眼査(TianYanCha)のデータによると、中国のキャンプ関連企業は合計で19万7000社以上にのぼり、そのうち今年の1〜2月に新たに登録された企業数は6600社以上で、昨年の同期比で5.6パーセントの増加が見られた。

 現在、中国の消費者に広く受け入れられているキャンプ装備には、テント、寝袋、キャンプカーなどの基本装備のみならず、アウトドアライト、コンロ、茶器、フルセットの食器、釣り具などの上位装備もある。各企業は、様々な観光客の多様なニーズに応えるため、新商品の開発に力を入れている。

 中国のキャンプ経済が急速に発展している背景には、大衆の消費アップグレードの需要、加えて、居住環境の持続的な改善がある。データによると、2013年から2022年にかけて、中国の都市建成区(市の中で都市化しているエリア)の緑化率は35.78パーセントから39.29パーセントに上昇し、都市の一人当たりの公園緑被地面積は12.64から15.29平方メートルに増加した。

 しかし、急速に発展するキャンプ市場には避けられない問題もある。例えば、既存のキャンプ場の数と質は、消費者の急増する需要に対応しきれておらず、キャンプ場の建設が同質化している。また、一部のキャンプ場では管理経験やサービス能力、専門性が不足している。キャンプ装備に関しても、品質のばらつきや価格設定の混乱などの問題がある。これに対し、業界関係者は、将来的には業界規範を育成し、共通認識を形成し、より多くの制度的保障を探求すべきだと考えている。(c)CNS/JCM/AFPBB News