【7月23日 CNS】中国では「漢服ブーム」が再び加熱している。北京では明代・清代の宮殿だった北京の故宮(紫禁城、Forbidden City)や歴代皇帝が整備した庭園・頤和園、西安市(Xi’an)では西安大唐不夜城などの歴史ロマンあふれる観光地が、「漢服」の最も人気ある撮影地となっている。

 北京の紫禁城郊外の長さ300メートルにも満たない通りに十数軒の漢服体験館が並び、これらの店の化粧台は観光客でいっぱい。化粧を終えた人はそのまま歩いて紫禁城に入ることができる。

 きっかけは、2018年前後に中国のテレビで宮廷ドラマ『如懿伝(にょいでん) 紫禁城に散る宿命の王妃』や『瓔珞(エイラク) 紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃』が放映され、多くの若者たちが紫禁城で同じファッションスタイルで撮影したいと思うようになったこと。

 若者たちが漢代の漢服や清代の宮廷衣装を着て、その時代のメイクをほどこし、カメラマンとメイク担当に付き添われて紫禁城を歩いている。ほかにも唐代や宋代、明代のスタイルを模している若者もいる。

 北京のほか古都である杭州市(Hangzhou)にも漢服体験館が集まっている。若者たちは着付けと化粧をした後、景勝地の西湖(West Lake)周辺を訪れることができる。体験館の店長は「杭州は南宋時代の古都であり、多くの文化、歴史遺産が残されている。西湖のほとりは漢服で撮影するのにぴったりです」と話す。

 漢や唐など歴代王朝の都が置かれた西安にも、漢服体験館はあちこちにある。西安大唐不夜城などのテーマパークで唐代のファッションに身を包み、観光をすることもできる。

 中国メディアによると、中国の漢服マーケットは急速に成長しており、2022年には市場規模が125億4000万元(約2445億円)に達し、2025年には191億1000万元(約3726億円)に拡大するという。(c)CNS/JCM/AFPBB News