【4月25日 AFP】イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ(Gaza Strip)への攻撃に対する抗議活動が米大学で広がる中、ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は言論の自由を支持する姿勢を打ち出した。

 ガザの保健当局によると、昨年10月7日以降、同地での死者は3万4200人に達した。ニューヨークの名門コロンビア大学(Columbia University)のパレスチナ支持の学生らは連帯を示すため、抗議活動を続けている。

 これに対し、イスラエル支持の学生らは「反ユダヤ主義」的な動きだと反発。大学当局は威嚇的な行動やヘイトスピーチを助長していると非難している。

 ホワイトハウス(White House)のカリーヌ・ジャンピエール(Karine Jean-Pierre)報道官は24日の記者会見で、「大統領は大学での言論の自由や議論、差別がないことが重要だと信じている」と説明。「人々が平和的なやりかたで自己表現できることが正しいと考えている。ただし、憎悪表現や暴力は批判されるべきだ」と述べた。

 しかし、バイデン氏は21日には「あからさまな反ユダヤ主義が大学に入り込む余地はない」と非難していた。

 一方、マイク・ジョンソン(Mike Johnson)下院議長(共和)はコロンビア大で「反ユダヤ主義のウイルス」がまん延しているとし、学長の辞任を要求。さらに「速やかに封じ込めることができず、威嚇行為に歯止めが掛からないようなら州兵を呼ぶタイミングが訪れる」と主張した。

 1970年には、オハイオ州のケント州立大(Kent State University)でベトナム戦争に抗議する学生に州兵が発砲し、4人が死亡する事件が起きている。

 SNSに投稿された動画では、テキサス大(University of Texas)で親パレスチナの学生ら数百人がテキサス州の騎馬警官と対峙(たいじ)している模様や、他の大学で重装備の警官隊がデモ参加者を押し戻す様子が確認できる。(c)AFP