【4⽉18⽇ Peopleʼs Daily】中国では2021年12月に月探査プロジェクト第4期分が承認された。中国の月探査の「嫦娥計画」は、第1期分が「繞月(月周回)」、第2期分は「落月(月着陸)」、第3期分は「返回(月で採取したサンプルの地球への持ち帰り)」と位置付けられ、第4期分ではさらに本格的な月探査が試みられることになる。

 今年3月20日には嫦娥計画第4期の成否を決める重要な鍵となる中継衛星「鵲橋2号(Queqiao-2)」が打ち上げられた。月は常に同じ面を地球に向けているため、地球から見て月の裏側に着陸させた探査機は月に遮られて地球との直接の通信ができない。そのため、軌道上で地球側と月探査機の間の「情報の懸け橋」の役割を果たす機器が中継衛星だ。

 中国は2018年に初の中継衛星「鵲橋(Queqiao)」を打ち上げ、月の裏側に着陸した嫦娥4号(Chang’e-4)との通信を成立させた。初代の鵲橋と比べると、鵲橋2号は新たな技術が多く取り入れられており高機能だ。情報の扱いも複雑で、運用期間も長い。また中継通信用以外の多くの科学研究用機材を搭載している。また、鵲橋2号は中国内外の別の月探査にも中継通信の支援を提供することができる。

 人類がこれまで成功させた10回の月のサンプルリターンはいずれも、地球から見て月の表側から標本を持ち帰った。中国が次に月に送り込む嫦娥6号(Chang’e-6)は、初めて月の裏面のサンプルを持ち帰る。専門家は、「月の裏側は全体的に月の表側よりも古い岩石で覆われています。また、月の三大地形の一つである南極エイトケン盆地(South Pole-Aitken)が存在し、科学研究の上で重要な価値を持ちます」と説明する。同盆地は嫦娥6号の着陸候補地の一つであり、嫦娥6号が着陸地点のサンプルを持ち帰れば、人類が手にする月のサンプルの幅が大いに広がり、月の成因や進化などの月に対する認識が大いに高まると期待できる。

 世界では新たな月探査ブームが巻き起こっている。中国国家航天局月探査・宇宙プロジェクトセンターの葛平(Ge Ping)副主任は「中国の月探査プロジェクトは国際協力を重視してきました。中国は月探査の協力の扉を常に開いています。これまでの月探査プロジェクトの実施でも、多くの事例と成果があります」と説明した。中国はすでに嫦娥5号(Chang’e-5)の月科学研究サンプルの使用申請を国際開放しており、月探査プロジェクト第4期の残る探査についても、世界に向けて協力プランを公募する。

 嫦娥6号には、フランスのラドンガス探知機、欧州宇宙機関(ESA)のマイナスイオン探知機、イタリアのレーザー反射鏡(コーナーキューブ)、パキスタンのキューブサット(立方体の形状の小型衛星)の四つの機器も搭載される。中国はまた、「国際月科学研究ステーション大科学プロジェクト」の推進を加速しており、より多くの国外のパートナーが参加し、人類の認識領域を共に開拓し、宇宙の平和利用や人類運命共同体の構築の推進に共に貢献することを望んでいる。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News