「不穏分子」を毎日訪問、中国・新疆ウイグル自治区でさらなる弾圧
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【5月15日 AFP】「人民の心をつかむ」という政府の掛け声のもと、中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の村に民間人の団体が押し寄せている。だがその団体には、政府に対する脅威を特定し罰するという裏の任務がある。
中国共産党が「工作組」を阿克切坎勒村(Akeqie Kanle)に送り込んでから4か月後、100人以上が拘束され再教育収容所に送られた。これは村の成人人口の5分の1にあたる。
工作組は地方の大学の職員などで構成され、昨年は1万以上のグループがウイグルの農村に派遣された。この制度はイスラム教徒が多数派を占めるウイグルで、政府が実施する分離独立派と宗教過激派への対抗策の一環として導入された。
政府は「人民の状況を調べ、人民の生活を改善し、人民の心をつかむ」のスローガンのもと、職員や教授を募集している。多数派の漢民族が大部分で、党のプロパガンダを広め、農村の貧困を撲滅し、「民族調和」を推進する。
政情不安定なウイグルでは、全人口を政治的に洗脳しようという試みが日常のあらゆる場面で行われており、このような工作組が極めて重要となる。
共産党は昨年、すでに厳しい宗教と個人の自由に対する制限を、さらに強化する任務を工作組に課した。これは、何十年にもわたり毛沢東(Mao Zedong)の下で行われた残酷な思想改造を思い起こさせる。
阿克切坎勒村の工作組は、新疆兵団廣播電視大学(BBTU)から派遣された。このような工作組が多数地方に送り込まれ、膨大な数の人々を刑務所や秘密の再教育収容所に送るのを手伝い、家族を壊し、村をも破壊した。
BBTUの工作組は2017年初めに村に入った。まずは村人が春節を祝うための赤いちょうちんを村中に吊るすのを手伝い、政府が約束する職業訓練の実施、クリーンな政府の実現と安全な水の供給を後押しした。
しかしその後の活動の焦点は、反対意見の兆しがないか村人に問い詰めることに移っていった。
BBTUの広報部門はソーシャルメディアの公式アカウントで、「工作組の士気は高い。我々は阿克切坎勒村の背後関係を洗い出し、膿を出し切ることができる」と、工作組の裏の仕事を、珍しくおおっぴらに褒めたたえている。
AFPは、BBTUと新疆ウイグル自治区当局に対し工作組のプログラムについてコメントを求めたが、回答は得られなかった。
だが、何百もの国営メディアの記事、政府文書、公的機関によるソーシャルメディアへの投稿で、工作組の手段とその破滅的な影響がはっきりと浮かび上がってくる。