■「しばらくはインド経済に衝撃」──専門家ら

 GST導入後も地方政府が課税することは認められている。南部のタミルナド(Tamil Nadu)州は1日、映画のチケットに28%のGSTに加え、州独自に30%の税金を課すと発表。映画館オーナーの団体は、観客が減り映画の違法ダウンロードが増えるとして、3日から30%課税が撤回されるまでの間、州内の全映画館969館の営業を停止するストライキを行うと発表した。

 新税導入初日の1日午後、首都ニューデリー(New Delhi)の中心部にある照明器具販売店「ケラティ・ラル・サンズ(Kherati Lall Sons)」に客の姿は一人もなかった。AFPの取材に店主は「税率が12.5%から28%に上がった。うちの売り上げには大きな打撃だよ」と不満をもらした。

 一方で運送業には駆け込み需要があった。匿名を条件に取材に応じたムンバイ(Mumbai)の物流会社「リビゴ(Rivigo)」の幹部社員によると、GSTが始まる1日午前0時より前に確実に荷物を届けてくれという依頼が殺到したという。

 繊維業をはじめ多くの業界が、課税対象が不明確だとしてGST導入を前に抗議のストを行った。

 2006年に初めて構想が発表されたGSTは、当初の予定よりかなり遅れて導入された。多くの経済専門家はGSTを評価しているが、事業者が適応するまでの間は、新税制はインド経済に衝撃を与えるだろうと警告している。(c)AFP/Megha BAHREE