仏大統領選、真剣に取り沙汰され始めた極右ルペン氏勝利の可能性
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■対抗馬が抱える問題
特に、右派・共和党候補のフランソワ・フィヨン(Francois Fillon)元首相(62)が抱える法律問題は、ルペン氏に有利に働いてきている。
フィヨン氏をめぐっては先月、妻に議員秘書としての給与を支払いながら、勤務実態がなかった疑惑が浮上。最新の世論調査では、仮に決選投票が今月末行われた場合、ルペン氏とフィヨン氏の得票率はそれぞれ44%と56%になるという予測が出ている。
検察当局が24日に、フィヨン氏の主張に対し予審判事が本格的な取り調べに着手すると発表すると、同氏に対する圧力はさらに強まった。
ルペン氏と決選投票で争うのが、企業寄りの中道派、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)前経済相(39)になった場合も、似たような構図になると予想されている。
わずか数か月の間に、泡沫(ほうまつ)扱いから有力候補へと躍進を遂げてきたマクロン氏。ルペン氏との対戦予測が行われるようになったのも先月からだが、ここ1か月のマクロン氏のリードは、30ポイント差から20ポイント差へと縮まってきた。
仏世論研究所(Ifop)の最新の調べでは、マクロン氏の予想得票率61.5%に対し、ルペン氏は38.5%だった。
ルペン氏も金銭絡みのスキャンダルにさらされており、欧州議会(European Parliament)の公金の不正流用に関わった嫌疑がかけられている。それでも一時最有力視されたフィヨン氏とは違い、支持率低下には直結していない。
しかし識者らは、既に多くの想定外の事態に見舞われている今回の選挙で、決選投票の結果を予測するのはリスクを伴うと警戒している。仏紙ロピニオン(L'Opinion)が今月半ばに世論調査の専門家らの予想を掲載したが、ルペン氏勝利の可能性については見解が分かれた。