【2月28日 AFP】今春大統領選を控えているフランスで、極右政党の国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首(48)が5月、本当に大統領になる可能性が出てきたと、政界の重鎮や評論家らが口にし始めている。世論調査で追い上げを見せている上、最大の対立候補の一人が公金流用疑惑の渦中に置かれているためだ。

 パリ(Paris)西郊のナンテール(Nanterre)にあるFN本部は、英国を欧州連合(EU)離脱に、米国でドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の誕生を導いたのと同じ勢いに乗って、ルペン氏が政権を掌握する可能性があると信じている。

 ルペン氏の政敵の中からでさえ、同氏の勝利があり得ると認める声が上がっている。保守派のジャンピエール・ラファラン(Jean-Pierre Raffarin)元首相も今月、「ルペン氏が選ばれる可能性はあると思う」と述べた。

 社会党(PS)のマニュエル・バルス(Manuel Valls)前首相もまた、ルペン氏は勝てないと思い込むことの「危険性」に警鐘を鳴らした。

 反移民・反EUを掲げるルペン氏はこの4年間、世論調査で一貫した支持を得ている。2013年以降ずっと、同氏が2回投票制の第1回投票を突破し、決選投票に進むと予想されてきた。

 現時点での世論調査によると、5月7日に大決戦となる一騎打ちを迎えれば、ルペン氏が勝利する見込みはないとされているものの、同氏は主な対立候補らとの差を縮めてきている。