■リスクを負って初めて訪れる変化

 25歳という若きオーストラリア女優マーゴット・ロビー(Margot Robbie)は、2013年のマーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)監督作品『ウルフ・オブ・ウォールストリート(The Wolf of Wall Street)』の攻撃的なナオミ・ラパグリア(Naomi Lapaglia)役や、今年8月に公開される『スーサイド・スクワッド(Suicide Squad)』で悪党のハーレー・クイン(Harley Quinn)役といった、か弱き乙女とは真逆の役ばかりに体当たりして高い評価を得ている。

 近日公開される『ターザン:REBORN(The Legend of Tarzan)』では強烈なジェーン(Jane)役を演じているロビーはインタビューで「チケットの半分は女性が買っているということを皆が、ようやく分かってきたと思う。女性が共感できるような役を作らないと、女性にはさほど楽しんでもらえないということになる」と話した。

 ベネチア国際映画祭(Venice International Film Festival)とサンダンス映画祭(Sundance Film Festival)で上映され好評を博したアナ・ローズ・ホルマー(Anna Rose Holmer)監督のデビュー作『The Fits(原題)』は、ダンサーになることを夢見ながら兄とボクシングのトレーニングを受ける11歳の少女を描いているが、スタッフとキャストのほぼ全員が女性で制作され、インディーズ版『ゴーストバスターズ』といえるかもしれない。

 同作の脚本をリサ・カールフ(Lisa Kjerulff)、サエラ・デービス(Saela Davis)両氏と共同執筆したホルマー監督は、性差別の波がようやく引きつつあると感じている。「とはいえ究極的には、女性を雇い、女性に投資し、女性陣を軸に据えるというリスクを負って初めて、物事は変わっていく」というホルマー監督。「これが状況を変えていく唯一の道であり、そこに必要なのは行動。ごく単純なことだし、可能なことだ」と語っている。(c)AFP Frankie TAGGART