■シルクロード経由で取引か

 茶の原料となるチャノキは、チベットでは育たない。

「このことは、シルクロードのルートの一つが当時、チベット西部を通っていたことを示している」と研究チームは指摘する。

 中国からシルクロードを通ってチベット、中央アジア、アジア南部などに運ばれた茶に関する、これまでで最古とされる記録は、唐王朝(西暦618~907年)の時代のものだった。

「約2000年前にシルクロードを通って運ばれ、チベットに持ち込まれた高級品の貿易で、布地などとともに茶が取引されていたことを、これらのデータは示している」と論文は述べている。

 茶は現在、水に次いで最も広く飲まれている飲料とみなされており、世界人口の4分の3が日常的に茶を飲んでいる。

 今回の植物遺物は腐食が進んでいたため、葉や芽などを明確に識別できなかった。そのため研究チームは、それが何であるかを特定するために分子分析法を用いた。論文によると、このチャノキは中国種(Camellia)である可能性が高いという。(c)AFP