【1月29日 AFP】2100年以上前に生存していた中国皇帝の墓から、世界最古のチャノキの植物遺物を発見したとの研究結果が発表された。これは、古代アジアのシルクロード(Silk Road)の一部に関する年代観を再検討する証拠となるという。

 中国と英国の研究チームが英科学誌ネイチャー(Nature)系オンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」に発表した研究論文には、この植物遺物が、前漢王朝皇帝、景帝劉啓(Liu Qi、紀元前188~141年)と后の陵墓の周囲にある墓穴から採取されたと記されている。

 茶に関する最古の記述は、紀元前59年の文書にみられる。これまで発見された中で最古とされていたチャノキの物質的痕跡は、今回の新発見より年代が数百年新しい北宋王朝(西暦960~1127年)の時代のものだった。

「茶は、今から2100年前の漢王朝の皇帝たちに飲まれていたことが、今回の研究で判明した」と、研究チームは論文に記している。

 研究チームは、中国・チベット(Tibet)自治区にあるグルジャム墓地(Gurgyam Cemetery)の副葬品に交じって出土した、2~3世紀頃のものとされる植物遺物と、今回発見されたチャノキとの比較を行った。

 研究チームによると、中国のチャノキは、すでに1800年前頃までに中央アジアやチベット高原(Tibetan Plateau)に運ばれていたことが、比較調査で分かった。これまでに知られていた文書記録を数百年さかのぼる結果だという。