■和平合意に失敗すれば…

 米国務省の高官によると今回の和平案は昨年9月にベラルーシの首都ミンスク(Minsk)で結ばれたもののほとんど守られていない停戦協定(ミンスク合意)に基づいているが、関係者は和平案について「相当に流動的で、発展の途上にある」ことを認めている。

 オランド仏大統領は仏テレビ局「フランス2(France 2)」に対し、現時点で前線となっている地域の周辺に50~70キロメートル程度の非武装地帯を設定することも和平案に含まれていると明らかにした。だが、ミンスク合意後に反体制派によって一部地域を奪われたウクライナのポロシェンコ大統領は、この案に反対するとみられている。

 しかし、オランド大統領は現在のウクライナとロシアの関係はこれ以上ないほど危険な状態だと指摘。新たな和平案は10か月近くに及ぶウクライナ紛争を停止させるための「最後のチャンス」になるかもしれないと警告し、次のように述べた。

「恒久的な和平合意ができなかった場合のシナリオは明白だ──それには名前がある。それは『戦争』と呼ばれるのだ」

(c)AFP/Frank ZELLER and Jo BIDDLE