【2月8日 AFP】欧米各国の首脳は7日、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に対し、ウクライナとの和平を望むならそれを証明する必要があると迫り、独仏がロシアとウクライナに新たに示した和平案は全面戦争の回避に向けた「最後のチャンス」になるかもしれないと警告した。

 独ミュンヘン(Munich)で6日に開幕した「ミュンヘン安全保障会議(Munich Security Conference)」に出席したウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領は、ロシアとの国境から離れたウクライナ領内で押収したというロシア兵らのパスポートや身分証明書を振りかざして自国内でロシア軍が活動していることを示す証拠だと主張し、「かつての戦略的パートナーが、主権国家(であるウクライナ)に密かに戦争を仕掛けている」と訴えた。

 ポロシェンコ大統領は8日、和平実現への最後の望みを懸けて、独仏露の首脳と電話会談を行うことになっている。

 アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相とフランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領は6日夜から7日未明にかけてモスクワ(Moscow)で行われた協議の場でプーチン大統領に和平案を提示していた。

 メルケル首相はこの協議について、成功につながるか否かは不透明だとしながらも、自身もオランド大統領も試す価値はあると考えていると発言。フランクワルター・シュタインマイヤー(Frank-Walter Steinmeier)独外相は、結果は「数日内に明らかになる」との見通しを示した。

 米国のジョー・バイデン(Joe Biden)副大統領も、「ロシアは行動が言葉に伴っていないと考えざるを得ない。言葉ではなく行動で示してください、プーチン大統領!」と述べて和平案に対する賛意と懸念を表明した。