【9月4日 AFP】先進的な農業技術を導入することで、中国の増大する人口に供給するための穀物が十分に収穫でき、また環境への負担も軽減されるとの実験結果を示した研究論文が、3日の英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された。

 論文を発表した中国農業大学(China Agricultural University)の張福鎖(Fusuo Zhang)氏率いる研究チームによると、中国の人口は今後、現在の13.5億人から2030年には14.7億人に増加することが予想され、深刻な食糧危機に直面する可能性があるという。この人口増加に対応するためには、年間6億5000万トン以上のコメ、コムギ、トウモロコシが必要になるという。

 また同時に、加速する気候変動、土壌の劣化、都市間での水と土地をめぐる競合の増加、2050年までに倍増する可能性が高い世界的な食糧需要などの難題にも対処しなければならない。

 研究チームは、既存の農地で収穫量を増やす方法を模索し、3年間にわたる実験を行った。

 研究では、中国の主要穀倉地帯で数十回に及ぶ実施試験が行われ、4種類の異なる農業技術を用いた小区画農地での穀物栽培が実施された。

 うち2つは、地元農家のやり方に従って穀物を栽培するやり方とそれに手を加えた「改良型」だ。

 3つ目は、環境に配慮せずに収穫高を最大化する方法で、多くの場合、農地には大量の窒素肥料が投入される。

 そして最後の方法は、作物と栄養素に関する最新の管理技術を用いて、その土地の土壌および気候に合った作物種の選定、播種時期とその密度の的確化、そして肥料の効率的な投入を行う、いわゆる「スマート農法」と呼ばれるだ。