米国で感染広がるブタ流行性下痢ウイルス、豚肉価格の高騰懸念も
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■「価格ショック」
5月の最終月曜日の戦没者追悼記念日(Memorial Day)から9月の第1月曜日の労働者の日(Labor Day)の間、米国では各地でバーベキューが頻繁に行われる。ただ今年の夏のシーズンに豚肉製品の供給が劇的に減少することを危惧する声も上がり始めた。
アレンデールのネルソン氏は、「PEDウイルスのピークは4~5週前だった」としながら、最悪の影響はおそらく6月か7月始めに表れるだろうと指摘する。また「この間、ブタの食肉処理量は10~15%減少するに違いない」との見解を示した。
ハム、厚切り肉、ソーセージなどの店頭価格に対する影響を正確に予測するのは困難だが、アナリストらは「大幅に急騰」するに違いないと口を揃えている。ネルソン氏は、最大で8%上昇するとみている。
米穀物家畜類投資企業、USコモディティーズ(US Commodities)のジェイソン・ルーズ(Jason Roose)氏は、予想される「価格ショック」を和らげる可能性のある2つの要因を挙げた。
1つは、家畜に与えるトウモロコシにかかる費用の減少から、豚肉生産者が恩恵を受けることが見込まれることだ。そのため体重が前年比6ポンド(約2.7キロ)増の平均282ポンド(約128キロ)のブタが販売可能となる。
もう1つの要因は、消費者に対する「値ごろ価格」の圧力だとルーズ氏は説明する。
「豚肉の価格の一部が、ロブスターの価格に匹敵するほどに上昇しているとすると、ロブスターが売れるか、売れるリブ肉の量が減るかだ」
(c)AFP/Juliette MICHEL