【1月4日 AFP】フランス極地研究所(French Polar Institute)のイブ・フルノ(Yves Frenot)所長は3日、AFPのインタビューに応じ、南極の氷に阻まれて立ち往生したロシアの調査船「アカデミック・ショカリスキー(MV Akademik Shokalskiy)」号から乗客が救助されたことについて、科学研究に使われるはずの資源が観光に使われ、研究活動に支障を来したと苦言を呈した。

 フルノ所長は「事故に遭った船の乗客を救出することには全く何の問題もない」とした上で、「南極大陸を科学者以外立ち入り禁止にする必要はないが、観光の在り方は監視して規制し、旅行会社は必要となった場合に必ず救助を受けられるよう準備しておくべきだ」と語った。

 アカデミック・ショカリスキー号は先月24日、南極の仏デュモン・デュルビル(Dumont d'Urville)基地の東方約100カイリで氷に阻まれて動けなくなり、乗船していた科学者、観光客、ジャーナリストの52人は今月2日に中国の砕氷船、雪龍(Xue Long)号のヘリコプターで豪政府が派遣したオーロラ・オーストラリス(Aurora Australis)号に運ばれた。