事件報道の視聴、実際の経験より強い心理的影響か 米研究
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【12月11日 AFP】米ボストン(Boston)マラソン爆破事件の後、より多くの情報を得ようとして1日に6時間ほどメディアを視聴した人は、実際に事件現場にいた人よりも強い心理的外傷を受けたとする米研究報告が9日、発表された。
米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)で発表された研究は、デジタルメディアや従来の媒体が報じた、ボストンマラソンでの惨劇を繰り返し視聴したことにより受けたと考えられる、心理的な影響について多くの問題を提議した。ボストンマラソンでの事件は、2001年9月11日に起きた同時多発テロ事件以降、米国で起きた初の大規模な爆発事件となった。
研究は、2013年4月15日の事件発生から4日後の19日に容疑者の身柄が拘束された後に行われた調査を基にしている。調査では米国の成人4675人が対象となった。事件では、容疑者兄弟のうち、兄のタメルラン・ツァルナエフ(Tamerlan Tsarnaev)容疑者が逃走中に死亡しているため、弟のジョハル(Dzhokhar Tsarnaev)容疑者(当時)のみが逮捕されている。
ジョハル被告は、圧力鍋を利用した手製の爆弾を大会のゴール付近で爆発させた罪で起訴された。この爆発で、3人が死亡、260人が負傷した。