「イランめぐる米政権の発言がイラク戦争前に酷似」、批判派が指摘

10月26日 19:06


(左)2002年10月7日、オハイオ(Ohio)州シンシナティ(Cincinnati)で演説するジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領。(右)2007年8月28日、ネバダ(Nevada)州リノ(Reno)で演説する同大統領。(c)AFP/PAUL J. RICHARDS/MANDEL NGAN


【10月26日 AFP】イランの核開発問題をめぐるジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領ら米政権の発言が、2003年のイラク戦争前の発言内容に酷似しているとの指摘が反ブッシュ派から上がっている。  以下に、ブッシュ大統領およびディック・チェイニー(Dick Cheney)副大統領のイラン核問題をめぐる最近の発言と、イラク侵攻以前の発言を比較した。 ■国際社会の対応に関する警告 ・対イラン 「イランが政策を変更しないなら、国際社会は厳しい対応をする準備ができている」 (チェイニー副大統領、2007年10月21日、近東政策ワシントン研究所(Washington Institute for Near East Policy)にて) ・対イラク 「国連安全保障理事会(UN Security Council)はイラクに対し、違反行為を繰り返せば深刻な結果に直面すると何度も警告してきた」 (2002年に採択された国連安保理決議1441(Resolution 1441)より。ブッシュ政権はこの決議を根拠に2003年3月、イラクに侵攻した) ■武力行使の示唆 ・対イラン 「イランには、イスラエルを崩壊させると公言する指導者がいる。わたしはこれまで、第3次世界大戦を避けたいのならば、こういった人物に核兵器の製造に必要な知識を与えるべきではないと言ってきた」 (ブッシュ大統領、2007年10月17日、記者会見) 対イラク 「差し迫った危険を目前に、決定的証拠を待っているわけにはいかない。決定的証拠が『きのこ雲』の姿で現れてくるかもしれないからだ」 (ブッシュ大統領、2002年10月7日、シンシナティ(Cincinnati)での演説) ■相手国の国民生活への言及 ・対イラン 「われわれが争っている相手はイラン国民ではない。わたしたちはイランの人々の繁栄と同国経済の発展を願っているし、子どもたちには安全な社会で育ってほしい。問題は、世界から自国民を孤立させようとしている政府なのだ」 (ブッシュ大統領、2007年1月26日、デービッド・ペトロース(David Petraeus)陸軍中将の駐イラク米軍司令官就任にあたって) ・対イラク 「イラク国民は、彼らを抑圧し脅迫する独裁者のもとでは繁栄することはできない。圧政がなくなれば、才能あるイラクの人々は繁栄する」 (ブッシュ大統領、2002年10月16日、イラクに対する武力攻撃の許可に際して) ■外交的解決をめぐる発言 ・対イラン 「選択肢はすべて検討する。外交的解決を願っている」 (ブッシュ大統領、2007年6月19日、エフド・オルメルト(Ehud Olmert)イスラエル首相との会談) 「米国は国際社会とともに、『イランに核兵器は保有させない』との明確なメッセージを送る」 (チェイニー米副大統領、2007年10月21日の演説) ・対イラク 「選択肢はすべて検討する。しかし、イラクのような国に大量破壊兵器の開発を許すことによって、われわれの未来を脅威にさらすわけにはいかない」 (ブッシュ大統領、2002年3月13日、イラク侵攻1年前の記者会見)