関係改善模索する米ロ、2回目の「囚人交換」成立
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【4月11日 AFP】米当局は10日、ロシアに拘束されていた米国人のバレエダンサーが釈放されたと発表した。米側も、当局に告発されていたロシア系ドイツ人を釈放しており、「囚人交換」が実現した形となった。ロシアとの関係修復を模索するトランプ政権下での囚人交換は2回目となる。
ロシア当局が釈放したのは、ロサンゼルスを拠点に活動するバレエダンサーで、米国とロシアの二重国籍を持つクセニア・カレリナさん。ウクライナを支持する慈善団体に約50ドル(約7600円)の寄付を行ったとして、ロシアで「反逆罪」による有罪判決を受けた。
一方の米当局は、ロシア軍に物資を供給するメーカーに米国製電子機器を違法に輸出したとして告発されたロシア系ドイツ人のアルトゥール・ペトロフ氏を釈放した。
ロシア連邦保安局(FSB)が公開した映像によれば、交換はアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ空港で行われた。現場にはスーツ姿の十数人が立ち会っていた。
ドナルド・トランプ大統領によると、カレリナさんが拘束されている件について米総合格闘技団体「UFC」の代表から知らされ、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に彼女の釈放を求めた。
カレリナさんは10日夜、首都ワシントン近郊のアンドルーズ空軍基地に到着した。
FSBが公開した映像には、釈放直後のペトロフ氏が飛行機内で「2日間眠っていないが、ほかに不満はない」と話す様子が映っていた。同氏は2023年にキプロスで逮捕された後、身柄を米国に引き渡された。
ロシアは2月中旬、米ロ首脳会談が行われた直後に、モスクワ空港で大麻入りグミを所持していたとして逮捕された28歳の米国人男性を釈放した。
また2月初旬にも、米国人教師とロシア人のIT専門家の交換が行われた。(c)AFP