中国人科学者 末梢神経系にミクログリア細胞の存在を初めて実証
このニュースをシェア

【4月12日 CGTN Japanese】中国科学院深セン先進技術研究院が明らかにしたところによると、同研究院定量合成生物学全国重点実験室の李漢傑研究員が率いるチームは、人体の末梢神経系内にミクログリア細胞が存在することを初めて実証しました。関連の成果は末梢神経系の発育やその疾患(慢性疼痛、向神経性ウイルス感染など)を探求するために、新しい視点と潜在的なターゲットを提供しており、北京時間7日に国際学術誌「セル」に掲載されました。
ミクログリア細胞は1919年に発見されて以来、中枢神経系特有の免疫細胞のサブグループとされてきました。2023年9月、李漢傑チームは「セル」に掲載された研究成果の中で、世界で初めてヒト免疫系の発育をマッピングし、これによりヒトの発達初期の皮膚、心臓、精巣など複数の末梢組織に大量のミクログリア細胞が存在することを観察し、この研究によりミクログリアが中枢神経系にしか存在しないという従来の認識が打破されました。
臨床サンプル、カニクイザルのサンプル、ブタのサンプルの末梢神経節において、研究者らは脳ミクログリア細胞の遺伝子特徴と同じ細胞グループを観察しました。末梢神経節は末梢神経系の一部であり、末梢感覚情報を受信し、脳に伝達する役割を担当しています。研究チームはまた、結果の正確性を確保するために、エピジェネティック特徴(遺伝子の発現を制御・伝達する仕組み)、細胞トレーサビリティー分析および機能実験などを通じて、中枢神経と末梢神経系におけるミクログリア細胞のエピジェネティック特徴が高度に類似しているだけでなく、いずれも卵黄嚢由来の前駆細胞に起源し、機能においても一定の類似性があることを確認し、末梢神経系におけるミクログリア細胞の存在を実証しました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News