EUの相互関税ゼロ提案 トランプ氏「非常に問題がある」
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【4月8日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は7日、欧州連合(EU)が提案した自動車を含む工業製品に対する「相互関税ゼロ」は、米国の貿易赤字解消には不十分だと述べた。
ホワイトハウスで記者団に対し、トランプ氏は「欧州連合の提案は、われわれにとって非常に、非常に問題のあるものだ。EUは日本と同じく、米国の車や農産物を受け入れない。実質的に何も受け入れていない」と非難した。
トランプ氏は先週、保護主義的な経済政策の一環として、9日からEU製品に20%の関税を課す方針を発表している。
これに対し、欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長は7日の記者会見で「われわれは工業製品に対する関税を互いにゼロにすることを提案した。欧州は常に米国と良好な取引をする用意がある」と述べた。
ただし、「トランプ氏の貿易攻勢に対抗する措置を講じ、われわれの利益を守る準備もできている」と警告も加えた。
提案への反応の中でトランプ氏は、欧州諸国が米国産エネルギーを購入すれば、EUの対米貿易黒字は「すぐに解消されるだろう」とも語った。
米国産エネルギーの購入によって関税が撤回されるかどうかには言及しなかったが、米国の対EU貿易赤字を解消するには3500億ドル(約52兆円)相当の取引が必要だと主張した。
ただし、米通商代表部(USTR)の統計によれば、2024年の対EU貿易赤字は2356億ドル(約35兆円)にとどまっている。(c)AFP