ガザ救急隊員殺害、イスラエル主張に矛盾 「最期の瞬間」捉えた動画、赤新月社が公開
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【4月6日 AFP】パレスチナ赤新月社は5日、ガザでイスラエル軍に殺害された援助活動家リファト・ラドワン氏の携帯電話から回収した、同氏や他の救助隊員らの最期の瞬間を捉えた動画を公開した。動画では、救急車両であることを示すマークが付いていることや、警光灯が点滅する様子がはっきりと確認できる。
国連(UN)とパレスチナ赤新月社によると、ラドワン氏は3月23日にイスラエル軍の攻撃で殺害された15人の人道支援要員の一人。
イスラエル軍は、兵士は「テロリストら」が「不審な車両」で接近してきたため発砲したとし、救急車を「無差別に攻撃したわけではない」と主張している。軍報道官のナダブ・ショシャニ中佐は車両について、イスラエル当局から事前の許可を得ておらず、ライトを消していたと語っていた。
しかし、赤新月社が公開した動画は、イスラエル軍の主張と矛盾しているようだ。動画の中で救急車はヘッドライトをつけ、警光灯を点滅させながら走行している。
移動中の車内から撮影されたとみられる6分42秒の動画には、夜間に自動小銃の発砲が続く中、赤い消防車1台と複数の救急車が走行する様子が映っている。
車両は道路脇で別の車両の横に止まり、制服を着た男性2人が降りてくる。
動画では2人の救急隊員の声が聞こえ、1人が「車両、車両」と言い、もう1人が「事故のようだ」と応えている。数秒後、一斉射撃が始まり、画面は真っ黒になった。
赤新月社は声明で「この動画は、救急車を無差別に狙ったわけではなく、一部の車両はライトや緊急時のサインなしに不審に接近したとする占領軍の主張に対する明確な反証だ」と指摘した。(c)AFP