【4月5日 CGTN Japanese】中国の航空業界は競争が激化しています。旅客構成の変化や航空券の価格下落が影響し、三大航空会社は昨年も黒字転換には至りませんでした。統計によると、3社の合計損失額は62億元(約1274億円)に上ります。

 中国の国有三大航空会社、中国南方航空、中国国際航空、中国東方航空の昨年の決算報告が発表され、いずれも赤字を計上しました。しかし、前年と比べると損失幅は縮小しています。

 具体的には、南方航空の親会社の純損失は16億9600万元(約348億8000万円)、国際航空は2億7300万元(約56億1000万円)、東方航空は42億2600万元(約869億円)となっています。

 各社は赤字の要因として、業界競争の激化、ビジネス・公務利用の減少、為替変動などが挙げられています。特に市場競争の激化により、航空券の価格が下落していることが決算報告書で明らかになっています。

 例えば、南方航空のデータによると、昨年の搭乗率は84.38%と前年の78.09%から改善しましたが、1人当たりのキロ当たりの収益は0.48元と前年の0.55元から低下しました。

 中国航空運輸協会は、旅客構成の変化が大きな要因であると指摘しています。ビジネスや公務利用の割合が減少し、新たな旅客層は主に観光や帰省目的の利用が中心となっています。

 また、中国の大手旅行サイト「去哪儿(Qunar)」のデータ分析機関によると、高価格帯の航空券を利用する旅客の割合が減少し、新たな利用者の多くが観光や親族訪問目的であることが分かりました。

 この傾向は今年も続いており、中国の春節(旧正月)期間中の航空旅客数は過去最高を記録しましたが、航空券の価格は前年同期よりも安くなっています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News