【3月27日 AFP】米国のクリスティ・ノーム国土安全保障長官は26日、不法移民の強制送還をめぐる会談のため中米エルサルバドルを訪れ、ドナルド・トランプ米政権によって追放されたベネズエラ人が収容されている巨大な刑務所を視察した。

強制送還されたベネズエラ人238人について、その家族やベネズエラ政府は無実の移民だと主張しているが、米政府は彼らが「テロリスト」組織に指定されているギャング「トレン・デ・アラグア」のメンバーだと非難している。

ノーム氏はエルサルバドル訪問前にソーシャルメディアで、この強制送還は「米国がもはや暴力的な犯罪者の安全な避難所ではないというメッセージを世界に送った」とコメント。

コロンビアとメキシコも含む外遊の最初の訪問地として、「最悪の犯罪者が収容されている大監房」を自ら視察する機会を歓迎した。

ノーム氏はエルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領と会談し、米国が「米国からの暴力犯罪者の強制送還便数と国外退去を増やす方法」について協議する予定だと述べた。

トランプ氏は16日、敵性外国人法(AEA)を適用してベネズエラ人をエルサルバドルに移送し、彼らにはいかなる審理の機会も与えなかった。

米連邦判事が国外追放命令の差し止めを認めたにもかかわらず、強制送還は行われ、男性たちは鎖につながれ、頭をそられた状態でエルサルバドルの「テロリスト拘禁センター」(CECOT)に送られた。

ベネズエラ政府が雇った法律事務所は24日、人身保護請求を申し立て、移民の勾留継続の正当性をを示すよう要求した。

同国のニコラス・マドゥロ大統領は、この申し立ては「誘拐された」同胞の解放を求めるものだと述べた。

ホワイトハウスによると、米政府は強制送還者の勾留費用としてブケレ政権に約600万ドル(約9億円)を支払った。(c)AFP