【3月24日 AFP】ブラジル・リオデジャネイロの学校では、生徒が「昔のように」遊び、授業中の集中力も向上している。同市で始まった校内での携帯電話(スマートフォン)の使用禁止は今、全国に広がっている。

ブラジルには、2億人の人口よりも多くのスマートフォンが存在する。ルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ大統領は1月、SNSに依存する子どもたちをデバイスから遠ざけるため、学校での携帯電話使用を禁止する法律に署名した。

全国に先駆けて、リオデジャネイロではすでに1年前から同様の禁止措置が実施されていた。

同市の公立校マーティン・ルーサー・キング牧師学校に通うカミリー・マルケスさん(14)は、もはや学校に携帯電話を持ってくることすらしなくなったとAFPに語った。「みんなスマホに依存しているので最初は大変でした。(使えないと)禁断症状みたいな感じになって。でも、慣れてしまうと、友達と遊んだり話したりするようになった」

校舎の入り口には、校名の由来となっている米公民権運動の英雄の壁画がある。その前には、授業に向かう前にスマホを預けるためのプラスチック製の箱が置かれているが、今ではそこで立ち止まる生徒は数えるほどになった。

マルケスさんは最初、この禁止措置について「うっとうしい」とか「退屈」だと思っていた。だが、成績が上がり、友達との付き合いが充実している今の方が楽しいと語った。

「以前はクラスメートがオンラインいじめに遭っていたのにも、私たちは気づかなかった。友達のことよりも携帯電話に夢中になっていたから」