動画:「記録的な氷河消失」3年連続、世界氷河デーに警告
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【3月23日 AFP】国連(UN)の世界気象機関(WMO)は21日、世界に19か所ある氷河地帯すべての氷の総質量が、昨年までの3年連続で減少したと発表した。今年から始まった「世界氷河デー」に合わせた発表となった。
WMOのセレステ・サウロ事務局長は「氷河の保護は環境的・経済的・社会的必要性だけでなく、もはや生存の問題だ」と警告。さらに同機関は、過去6年のうち5年で観測史上最も急速な氷河の後退が見られたとしている。
グリーンランドと南極の大陸氷床を除いても、世界には27万5000以上の氷河が存在し、その総面積は約70万平方キロに及ぶ。しかし、これらの氷河は気候変動によって急速に縮小している。
WMOによると、2024年(水文年)は世界にある19の氷河地帯すべてで、3年連続で質量の純減を記録した。
スイスにある研究機関「世界氷河モニタリングサービス(WGMS)」の最新データによると、これらの氷河は計4500億トンの質量を失った。サウロ氏は「2022~2024年の氷河消失は記録上最大の3年間」だったと述べた。
氷河にとって観測史上最悪だったのは2023年で、昨年は過去4番目に厳しい年だった。
現在の融解ペースが続くと、カナダ西部や米国、スカンディナビア、中央ヨーロッパ、コーカサス、ニュージーランドの多くの氷河は「21世紀中に消滅してしまう」とWMOは警鐘を鳴らしている。
映像は2021~2024年に撮影した各地の氷河。(c)AFP