【3月22日 AFP】テック界の億万長者でドナルド・トランプ米大統領の盟友でもあるイーロン・マスク氏は20日、ウィスコンシン州の有権者に対し、「活動家判事」に反対する嘆願書に署名すれば現金を提供すると宣伝した。ウィスコンシン州では間もなく、最高裁判事選挙が行われる。

マスク氏が設立し、多額の献金をしている「アメリカPAC(特別政治活動委員会)」は、「活動家判事に反対する嘆願書」に署名したウィスコンシン州の有権者に100ドル(約1万4900円)を提供するとし、最高裁判事選挙が行われる4月1日までに署名するよう求めている。

嘆願書は、マスク氏もX(旧ツイッター)でリポストした。

アメリカPACはXへの投稿で、「裁判官は法律を文字通りに解釈すべきで、個人的な考えや政策のために法律を書き換えてはならない」と主張し、「ウィスコンシン州の登録有権者には、嘆願書に署名すれば100ドル、さらに署名者を紹介した場合、1人につき100ドルを提供する」としている。

ウィスコンシン州最高裁判事選挙は、アメリカPACと共和党が支持する保守派のブラッド・シメル氏と、民主党が支持するスーザン・クロフォード氏が重要な席を争っている。

クロフォード陣営は声明で、「イーロン・マスク氏はウィスコンシン州に対する自社の訴訟で有利な判決を得るため、同州最高裁判所の席を買収しようとしている」と指摘している。

マスク氏が最高経営責任者(CEO)を務める電気自動車(EV)大手テスラは、自動車メーカーが販売店を持つことを禁止する規則の例外を認めないウィスコンシン州に異議を唱えている。この訴訟は、最終的に同州最高裁に持ち込まれる可能性が高い。(c)AFP