イタリア憲法裁、独身者を国際養子縁組の養親に認める 排除は違憲
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【3月22日 AFP】イタリアの憲法裁判所は21日、国際養子縁組の養親希望者から独身者を排除するのは違憲との判断を下した。同国ではこれまで、法律で養親を夫婦に限定していた。
事の発端は2019年、フィレンツェの独身女性が養子縁組の許可を求めたことだった。トスカーナ州の裁判所は1983年の法律に基づき、女性の訴えを退けたが、当該女性の権利侵害をめぐり、憲法裁の判断が仰がれていた。
憲法裁は現行法について、家庭を必要とする子どもを助けたいと願う養親希望者の権利を「過度に制限している」とし、親になりたいという願望は「個人の自己決定の自由であり、未成年者の多様な基本的利益と共に考慮されるべきだ」と主張している。
養子縁組の審査については、夫婦と同様、独身者に対しても、審査担当者が「養親希望者の感情的な適性と、子どもを教育指導し、養う能力を具体的に確認する」ことになるとしている。
中道左派の野党・民主党は今回の裁定を「歴史的」と評価。人権問題を担当するアレッサンドロ・ザン議員は「この権利は同性カップルにも拡大されるべきだ」と述べた。
極右のジョルジャ・メローニ首相は、2022年の総選挙で伝統的な家族観と移民排斥を打ち出して勝利した。(c)AFP