浙江台州の「春の経済」活況 アウトドア用品の輸出が急増
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【3月21日 東方新報】春爛漫の3月、外出して花見やピクニックを楽しむのに最適な季節となっている。北半球のアウトドア消費市場が繁忙期に入る中、中国・浙江省(Zhejiang)台州市(Taizhou)のアウトドアレジャー用品企業の輸出が大幅に増加し、「春の経済」はますます加熱している。台州税関によると、今年1月から2月の間に、同市のアウトドアレジャー用品の輸出額は20億元(約418億8600万円)を超え、前年同期比で約20%増となった。
ここ数日、「浙江永強集団(Yotrio Group)」の工場内では、生産ラインがフル稼働し、従業員たちは注文に応えるため残業を続けている。同社が製造するアウトドア用のローマンパラソルは、多機能設計が海外の顧客に好評だ。
「このローマンパラソルは、360度の自由回転機能に加え、ソーラーLEDライトと持ち運び可能なウェイトベースが付いており、昼夜問わずさまざまなシーンで使用できます」と、永強集団のサンシェード製品部門の副マネージャー・王四化(Wang Sihua)氏は説明する。この製品は主にヨーロッパに輸出されており、国内市場でもシェアが拡大中だ。
また、台州市温嶺市(Wenling)では伝統工芸の「草編み帽子(草帽)」も輸出が好調だ。浙江省の無形文化遺産にも指定されている「温嶺の草帽づくり」は、春秋戦国時代からの歴史を持つ。地元企業「誼達帽業」では、草帽の素材から製品まで一貫して手がけており、年間の輸出額は4000万元(約8億2772万円)を超える。主な輸出先は欧米、中東、東南アジアなどだ。
「2024年にはパリ五輪の公式サプライヤーとして認定され、温嶺の草帽技術を世界にアピールできた。今後は伝統技術とファッション性を組み合わせて、さらに海外市場を広げたい」と、同社の胡凱涛(Hu Kaitao)総経理は語る。
現在、台州には220社以上のアウトドア用品関連企業があり、多くが輸出を主力としている。こうした流れを後押しするため、台州税関は企業支援策を打ち出している。例えば、永強集団では加工貿易のために4.6億元(約95億1878万円)相当の原材料の帳簿登録を行い、輸入時にかかる約1億元(約20億6930万円)の税金を猶予することで、コスト負担を軽減している。
さらに、税関では「春の経済」専用窓口も設け、企業の通関手続き時間を短縮して輸出のスピードアップを図っている。台州税関・臨海事務所の于倜(Yu Ti)副科長は「通関の円滑化と、税関長が直接現場へ足を運んで政策を伝える取り組みで、台州企業が海外市場で優位に立てるようサポートしている」と話している。(c)東方新報/AFPBB News