【3月20日 AFP】ギリシャ・テッサロニキにある悪名高い旧刑務所付近で行われていた建設工事で、内戦時代に処刑された33人の遺骨が見つかった。親族と当局者が19日、明らかにした。

ヘプタピルギオン(エプタピルギオン)は、ビザンチン帝国時代の要塞(ようさい)で、オスマン帝国の支配下ではイェディ・クレと呼ばれ、その後、刑務所として使用されていた。

ギリシャ内戦は1946年から1949年まで行われたが、ギリシャ共産党(KKE)との関係を疑われて拘束された政治犯の処刑はその後も何年も続いた。

この内戦では推定15万人以上が命を落とし、避難民は約80万人に上ったとされる。

地元シキエスのシモス・ダニリディス市長は、「私たちは今、複雑な気持ちを抱いている」とし、「信念と祖国のために命を落とした人々の遺骨が80年もたって見つかったことは喜ばしい」と述べた上で、殺害行為は「非人道的でおぞましく、今日のギリシャ文明では考えられないこと」だと非難し、「悲しみや憤り」を覚えていると続けた。

最初の遺骨は昨年12月、公園の建設工事中に発見された。

シキエス市は、「内戦の暗黒時代、同地域は政治犯の処刑や遺体の移送に使用されていた。刑務所に非常に近く、当時この辺りには居住者がいなかったためだ」と説明している。

発見された遺骨は警察に引き渡され、DNA鑑定で身元を特定する試みがすでに始まっている。

市は内戦の犠牲者の親族や子孫に名乗り出るよう呼び掛けている。

KKEも、処刑された政治犯のリストを作成し、公表する準備を進めている。

犠牲者の多くはKKEとのつながりで殺害されたとみられ、党の代表団は19日、現場を訪れ、花を手向けた。(c)AFP