【3月19日 AFP】国連の専門機関である世界気象機関(WMO)は19日に発表した年次報告書で、気候変動に伴う災害による2024年の避難者数は2008年以降で最多だったと発表し、地球全体を対象とする早期警報システムを緊急に展開する必要があると訴えた。

「世界気候の現状」と題する年報は、貧困国はサイクロンや干ばつ、山火事といった災害の深刻な影響を受けていると指摘している。

WMOは、08年以降のデータを収集している国内避難民モニタリングセンター(IDMC)によれば、気候災害からの昨年の避難者数は08年以降最多で、数十万人に上るとしている。

モザンビークでは、サイクロン「チド」により約10万人が避難を余儀なくされた。

一方、スペイン・バレンシア市では洪水で224人が死亡したほか、カナダと米国では大規模火災により計30万人以上が避難するなど、影響は先進国にも及んだ。

セレステ・サウロ事務局長は年報の中で、こうした気候変動に伴う災害に対応するため、「WMOと国際社会は早期警戒システムと気候関連サービスの強化に努めている」と述べている。

WMOとしては、2027年末までに世界中のすべての人々がこうしたシステムでカバーされることを望んでいる。(c)AFP/Agnès PEDRERO