香港名物・竹の足場、消滅の危機 金属製の導入拡大を当局発表
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【3月19日 AFP】高層ビルの周りに張り巡らされた竹の足場は香港名物だが、間もなく、めったに見られない光景になるかもしれない。当局が17日、昔から足場に使われてきた材料の竹を、金属に置き換える計画を発表したためだ。
香港では長年、竹の足場が好まれてきた。竹は、隣接する本土南部の省から調達しやすく、価格も安い。軽量なため、狭い場所での運搬、設置、解体も容易だ。
しかし開発当局は、安全性向上のために「公共の建物の建設現場で金属の足場を段階的に増やす」計画を発表。
担当者は竹製の足場について、金属に比べると「耐性にばらつきがあり、経年劣化や可燃性の高さなど、竹ならではの欠点があり、安全上の懸念が生じている」と指摘している。
公式統計によると、2018年以降、竹の足場が関係した労働災害に伴う死者は23人に上っている。
労働災害被害者の権利団体は18日、当局の方針を歓迎し、民間の建設事業でも同様の措置が導入されるべきだと主張。
竹の足場での高所からの転落事故や、足場の崩壊、緩み、火災が後を絶たないとし、「金属製の足場は竹の2〜3倍の費用がかかるが、長期的に見れば、安全面でのメリットははるかに大きい」と指摘している。
業界関係者によると、今年1月時点で、香港の足場の80%近くは竹製とみられている。(c)AFP