【3月6日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン大統領は5日、自国の核抑止力を欧州防衛に拡大することについて欧州各国と議論を進める考えを示した。また、ウクライナとロシアの将来の和平合意の履行に向け、欧州軍をウクライナに派遣する可能性に改めて言及した。

マクロン氏は6日にブリュッセルで開かれる欧州連合(EU)特別首脳会議を前に国民に向け演説し、ドイツの次期首相に就任するとみられている、キリスト教民主同盟(CDU)のフリードリヒ・メルツ党首からの「歴史的な」呼び掛けを受け、フランスの核の傘で欧州諸国を防衛する議論を開始すると述べた。

「わが国の核抑止力による欧州大陸の同盟国防衛に向けて戦略的な議論を始めることを決めた」と表明。核兵器使用に関する決定は、フランスの国家元首に委ねられることになると説明した。

メルツ氏は先月、ロシアを除けば欧州唯一の核保有国であるフランス、英国両国との間で、「核共有」について議論を行うことを望むと語っていた。

マクロン氏は、「ロシアが約束を守ると信用することはもやできない」とし、ウクライナの和平合意がいったん成立した暁には、支援国としては同国が「再びロシアに侵攻されない」ように保証する必要があると述べた。

「現下のロシアがウクライナで止まると誰が信じられるだろうか」と問い掛け、「ロシアはフランスと欧州にとって脅威となっている」と訴えた。

マクロン氏はまた、和平協定署名後、協定の履行が順守されるのを保証するため、欧州軍がウクライナに派遣される可能性に改めて触れた。「欧州軍はきょう、戦闘に赴くわけでも、前線で戦うわけでもないが、和平協定締結後、完全な順守を保証するために派遣されることになるだろう」と語った。

欧州各国の軍幹部が来週、パリで会合を開き、ウクライナ和平の支援について協議する予定だと明らかにした。(c)AFP