白書:中国消費者の国産コスメブランドへの信頼が向上
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【3月3日 東方新報】米市場調査会社のニールセンIQ(Nielsen IQ)と、抖音(Douyin)などを運営する字節跳動(バイトダンス、ByteDance)傘下のデジタルマーケティングプラットフォーム「巨量引擎(Ocean Engine)」は、21日に共同で「メイクアップ新大陸航海図・2024年巨量引擎コスメ業界白書」を発表した。この白書によると、中国の消費者は「美しさの追求」に対する支出意欲が高まっており、国産コスメブランドへの信頼がより強くなっているという。
白書は、18歳から60歳の中国人消費者1043名を対象に調査を実施した。対象者は過去6か月以内にコスメを使用し、週に1回以上使用する人に限定されており、そのうち女性が90%を占めている。
調査結果によると、中国の消費者は「美の追求」に対する支出意欲が増していることがわかった。68%の回答者が「今後1年間でコスメの支出を増やす」と答えており、民族的なアイデンティティの高まりが中国美学とコスメの融合を促進し、市場に新たな活力をもたらしている。
消費者の41%が「国産コスメブランドの品質は外国ブランドと同等」と評価している。また、23%は「国産ブランドはすでに外国の有名ブランドを上回っている」と考えており、31%は「国産ブランドには独自の技術や原材料がある」と回答している。
白書は、中国の伝統文化と現代デザインを融合させた「国潮」要素の人気が引き続き高まっていることを指摘している。コスメブランドは、中国の伝統芸術や歴史を現代デザインと組み合わせることで、文化的な魅力を持つ製品を作り出している。この取り組みは、単なる製品販売にとどまらず、消費者との感情的なつながりを構築することに成功している。
白書によると、国際ブランドと国産ブランドの両方が、内容EC(コンテンツを通じて商品情報を伝え、消費者の購買行動を促進するプラットフォーム)を利用して新たな成長曲線を模索しているという。競争が激化する中、内容ECの売上トップ20ブランドのうち、中国ブランドが15ブランドを占め、2024年1月から11月までの小売売上高は前年比48%増加した。
ニールセンIQ中国区デジタルプラットフォーム戦略パートナーの副社長、楊英(Yang Ying)氏は次のように述べている。「近年、中国のコスメ市場はその潜在力をますます発揮しており、すでにグローバルなコスメ業界の成長をけん引する重要な力となっています」
中国市場における国産ブランドの品質向上、消費者の民族意識の高まり、内容ECの発展が相まって、今後も中国のコスメ市場は高い成長を続けると予想される。(c)東方新報/AFPBB News